2021年発明専利の終結件数は160万件近く、授権率は4割を超え
2021年終結量は30%増加、授権率は44%で安定維持
2021年発明専利の終結量は160万件に迫り、2020年より約30%(40万件近く)増加し、過去例年のデータをはるかに上回った。発明専利の三大終結率は過去1年で大きい変化がなく、授権率は44%前後で安定的である。
中国と海外からの発明専利の差異がまだ大きい
例年とほぼ同じく、国内技術来源の発明専利は、国外技術来源の発明専利に比べ、全体的な授権率が30%以上低く、拒絶査定率及び取下率は15%程度高い。
国内技術来源の発明専利の授権率は41.1%、国外技術来源の発明専利の授権率は74%であり、国内技術来源の発明専利の拒絶査定率は25.4%、国外技術来源の発明専利の拒絶査定率は7.3%である。
出典 Patentics
ヨーロッパ特許庁、2021年中国専利出願1万6665件受け付け、前年同期比24%増加
5日、ヨーロッパ特許庁の最新統計によると、2021年、中国から総1万6665件の専利出願を受け付け、再びヨーロッパ特許庁での中国専利出願件数の最高値を記録、前年比24%増加し、30カの主要専利出願国の中で増加幅が一番大きかった。
データによると、ヨーロッパ特許庁は、2021年総18万8600件の専利出願を受け付け、前年比4.5%増加した。専利出願上位5カ国はアメリカ、ドイツ、日本、中国とフランスである。ヨーロッパ特許庁の2021年専利出願件数の増加は、主に中国とアメリカからの専利出願に支えられている。
企業別のランキングを見ると、華為は2021年ヨーロッパ特許庁の会社部分専利出願件数1位を占め、計3544件の専利を出願し、韓国の三星(サムスン)とLGを先んじた。OPPO、中興、百度、小米、騰訊もトップ50に入った。
出典 新華社
発明専利審査周期を16.5ヵ月まで減らす
3月21日、国家知識産権局は「知識産権の高い質の発展を推進する年度業務ガイドライン(2022)」を公布した。「知識産権強国建設綱要(2021-2035年)」と「《十四五》国家知識産権保護及び運用計画」を貫徹・実行するため、全国知識産権局局長会議の配置に従って、2022年知識産権業務をより一層うまく遂行するため、「知識産権の高い質の発展を推進する年度業務ガイドライン(2022)」を制定し、その中で主な目標に言及したのは、知識産権の創造は、「審査の質と効率を向上する攻防戦に勝って、“発明専利の審査質と審査効率を向上する専項実施方案(2019-2022年)”の既定目標を全面的に完成して、発明専利審査周期を16.5ヶ月まで減らし、特に高価値の専利審査周期を13.8ヶ月に減らし、商標登録の平均審査周期を4ヶ月に安定する。」ことである。
出典 国知発運字[2022]15号
2022年3月1日より、ペーパー専利証書は歴史的舞台から消え去り
2022年3月から、国家知識産権局は専利電子出願システムを通じて電子専利証書を発行し、これからペーパー専利証書の発行はしないことにした。ところが、ペーパー証書が必要な場合、電子申請登録ユーザーは専利電子申請サイトで申込んで獲得する経路は保留している。即ち、2022年3月1日(当日含め)より、国家知識産権局は、専利電子出願の、ペーパー専利証書の請求を受け付けなくなり、関連専利証書は電子出願システムを通じてのみ発行される。
出典:国家知識産権局公告 第四七二号
——(2019)最高法知民終804号
【裁判要旨】
先行技術抗弁の認定において、被訴権利侵害技術方案におけるある技術的特徴が、先行技術方案における相応する技術的特徴と当該分野での直接置換可能の常套手段を構成する場合、両対応技術的特徴に実質的な差異がないと認定することができる。
【キーワード】
実用新案専利 権利侵害 先行技術抗弁
実質的な差異なし 常套手段 直接置換
【事案の概要】
控訴人佛山市順徳区華申電器製造有限公司(以下、「華申公司」という)、佛山市易豆科技有限公司(以下、「易豆公司」という)と被控訴人浙江省小智電器科技有限公司(以下、「小智公司」という)の実用新案専利権紛争案件において、関連専利番号はZL201320602436.9であり、名称は「泡立て装置及びその泡立て器の容器昇降構造」という実用新案専利(以下関連専利という)である。
小智公司は、華申公司と易豆公司が専利権者の許可を得ずに、関連専利権の保護範囲に属する製品を製造、販売、許諾販売し、小智公司の専利権を侵害したとして、広州知識産権法院(以下、一審法院という)に訴訟を提起し、華申公司と易豆公司に侵害を停止し、経済損失及び権利維持のための合理的な支出150万元を賠償することを請求した。
一審法院は、被訴権利侵害製品が小智公司の関連専利権の保護範囲に属すると認定し、華申公司は権利侵害を停止し、小智公司に25万元(人民元)の賠償金を支払い、易豆公司は権利侵害を停止し、在庫の権利侵害製品を廃棄し、小智公司に15万元(人民元)の賠償金を支払うよう判決した。
華申公司と小易公司は判決に不服して、最高人民法院に上訴を提起し、先行技術の証拠のUS1984047A専利書類及び訳文(以下047A専利という)を提出して、被訴権利侵害技術方案は先行技術に属し、被訴権利侵害行為が関連専利権の侵害を構成していないことを証明しようとした。
最高人民法院は2020年11月12日、原判決を取消し、小智公司の訴訟請求を却下する判決を下した。
【裁判意見】
最高人民法院二審は、小智公司の047A専利の真実性に異議なく、当該専利の出願公開は1934年12月11日で、関連専利出願日より早いため、先行技術の抗弁証拠として使用できると認定する。
関連専利の特許請求の範囲におけるクリップ組立品に関する技術的特徴は、「クリップ組立品の一端は蓋体に固定され、他端は径方向の弾性圧力によって昇降軸に付勢されている」ことである。
被訴権利侵害技術方案のクリップ組立品は、主にスプリングとビー玉で構成され、スプリングの一端が蓋体に当接し、他端がビー玉と連結ブロックを介して昇降軸に当接し、全体構造が蓋体の内部に位置される。
047A明細書及び付図1に明確に記載された相応する技術的特徴は、「扁平弾性片29は中空部品25の上に設置され、主軸26中の凹槽28との配合に適する小突起30を有し、中空部品25は蓋5及び延長部分6の中に位置する」ことである。
被訴権利侵害技術方案のスプリング、ビー玉型クリップ構造は、先行技術の弾性片、突起型クリップ構造と直接代替可能な常套手段であり,当業者が必要によって異なる弾性部品とその対応する構造を選択できるため,実質的な差異がない状況に属する。
専利権の保護範囲内に入る被訴権利侵害技術方案の全ての技術的特徴は、いずれも047A専利方案における相応する技術的特徴と同じ又は実質的な差がないため、華申公司と易豆公司の先行技術の抗弁は成立する。
出典:最高人民法院知識産権法廷