Foundinニュースレター2021年1月号―中国知財近況PICKUP

Foundin
[ 2021-07-20 ]

2021―01.jpg

 

中国知財近況 中国知財近況 PICKUP 

 

PICKUP 1.

新司法解釈訳文紹介―最高人民法院による北京、上海、広州知識産権法院の事件管轄に関する規定

(法釈〔2020〕19号により改正された18件の解釈より抜粋)

 

2021-01 文中図1.png

(2014年10月27日最高人民法院審判委員会第1628回会議を通過し、2020年12月23日最高人民法院審判委員会第1823回会議を通過した《最高人民法院による〈最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争事件の審理における 法律

 

適用の若干問題に関する解釈(二)〉等18件の知的財産権関連司法解釈の改正の決定について》に基づき改正)

 

北京・上海・広州知識産権法院の事件管轄をより明確にするため、《中華人民共和国民事訴訟法》《中華人民共和国行政訴訟法》《全国人民代表大会常務委員会による北京、上海、広州三地における知識産権法院設立に関する決定》等の規定に基づき、本規定を制定する。

 

第一条 知識産権法院は所在する市の所轄地区内における下記事件の第一審を管轄する。

(一) 専利、植物新品種、集積回路の回路配置デザイン、技術ノウハウ、コンピュータソフトウェアに関する民事/行政事件

(二) 国務院部門、あるいは県規模以上の地方人民政府による著作権、商標、不正競争などに関連する行政行為に対し提起された訴訟に関する行政事件

(三) 著名商標の認定に関連する民事事件

 

第二条 広州知識産権法院は広東省内の本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定した事件に対し、通常の管轄地区を超えこれを管轄する。

 

第三条 北京市、上海市の各中級人民法院と広州市の中級人民法院は知的財産権に関わる民事/行政事件を受理しない。

 

広東省のその他の中級人民法院は本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定した事件を受理しない。

 

北京市、上海市、広東省の各基層人民法院は本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定した事件を受理しない。

 

第四条 事件の対象が本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定した内容とともに別の内容を含んでいる場合は、本規定第一条と第二条に規定した通りの管轄とする。

 

第五条 以下に挙げる場合の第一審事件は北京知識産権法院の管轄とする。

(一) 国務院部門による専利、商標、植物新品種、集積回路配置デザイン等知的財産権に関連する権利付与・権利確定の裁定または決定を不服とする場合

(二) 国務院部門による専利、商標、植物新品種、集積回路配置デザインに関する強制許諾決定及び強制許諾使用料或いは報酬への裁決を不服とする場合

(三) 国務院部門により行われた知的財産権に関連する権利付与・権利確定のその他の行政行為を不服とする場合

 

第六条 知識産権法院所在市の基層人民法院による著作権、商標、技術契約、不正競争等知的財産権に関わる民事/行政判決、裁定に対し当事者が提起した上訴事件は、知識産権法院において審理する。


第七条 知識産権法院による第一審判決、裁定に対して当事者が提起した上訴事件、及び法に基づき一級上の法院へ再討議が申請された事件は、知識産権法院所在地の高級人民法院知識産権審判廷において審理する。但し法に基づき最高人民法院にて審理すべき事件は除く。

 

第八条 知識産権法院所在省(直轄地)の基層人民法院が知識産権法院の成立以前に受理し、かつ審理終結していない、本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定した事件は、当該基層人民法院にて引き続き審理する。

 

広州市中級人民法院を除き、広東省のその他の中級人民法院は広州知識産権法院成立以前に受理し、かつ審理終結していない、本規定第一条第(一)項と第(三)項に規定する事件について、当該中級人民法院にて引き続き審理する。

 

 

PICKUP 2.

2021年1月より実施される知財関連新政策ヘッドライン

 

1. 《専利審査指南》改正 : 1月15日施行

習近平書記の知的財産権保護に関する重要な指導精神の全面的な徹底のため、「放管服」改革における方策施策の踏み込んだ徹底的な実施のため、経済科学技術の急速な発達に伴う審査規則への要求に積極的に対応するため、また専利審査の質と効率を高めるため、国家知識産権局は《専利審査指南》への改正を行った。これはすでに公布され、2021年1月15日より施行される。

 

2. 《中華人民共和国民法典》 : 1月1日施行

2020年5月28日15時08分、第十三回全国人大第三会議にて《中華人民共和国民法典》が可決され、中国の「民法典時代」が正式に幕開けした。この法律は2021年1月1日より施行される。

 

3.ニース分類〔第11-2021版〕本文 : 1月1日施行

世界の知的財産権組織の要求に基づき、ニース同盟加盟国は2021年1月1日より《商標の登録のための商品およびサービスの国際分類》(即ちニース分類)第11-2021版本文の使用を正式に開始する。申請日が2021年1月1日及びそれ以降の商標登録出願は、商品及びサービスの項目分類を行う際新版のニース分類を適用する。申請日がこれより前の商標登録出願については旧版ニース分類を適用する。当局はニース分類を基に《類似商品と役務の区分表》に対し相応の調整を行い、この《類似商品と役務の区分表》の改正内容はニース分類と共に公布される。


4.専利及び集積回路の回路配置デザインの費用に対する電子領収書が正式に使用開始 : 1月1日

《財政部における電子領収書管理改革の全面的推進についての通知》(財綜[2018]62号)及び国家知識産権局の公示(第394号)における要求に基づき、専利及び集積回路の回路配置デザインに対する費用徴収に対し2021年1月1日より正式に電子領収書の使用が開始される。電子領収書は紙媒体の領収書と同等の効力を有する。

 

5.《法律職業資格管理規則》施行開始! : 1月1日

《法律職業資格管理規則》が2020年11月17日公布の《法律職業資格証書管理規則》司法部部務会議の審議を通過し、2021年1月1日より施行される。同時に、2002年7月8日公布の《法律職業資格証書管理規則》(司法部令第74号)は廃止される。

 

6.全国人大による海南自由貿易港知識産権法院設立の決定 : 1月1日施行

2020年12月26日第13回全国人民代表大会常務委員会の第24回会議にて海南自由貿易港知識産権法院の設立についての決定が通過し、本決定は2021年1月1日より施行される。

 

7.国知局:国家海外知識産権紛争対応指導センター地方センター管理規定(試行)及び業務査定細則(試行)の発行 :1月1日実施

国家外知識産権紛争対応指導センター地方センターの規範的構築及び効率的な運行のため、《国家海外知識産権紛争対応指導センター地方センター管理規定(試行)》に基づき本細則を制定する。本細則は公布日より試運行を開始し、2021年1月1日より正式な実施を開始する。

 

8.国家知識産権局による中韓優先権書類の電子的交換業務のWIPODASプラットフォームへの移行に関する公示(第392号) : 1月1日実施開始

国家知識産権局第196号公示に基づき、国家知識産権局は2014年1月1日より中韓双方の優先権書類の電子的交換業務を開始していた。現在韓国側の優先権業務移行・整理統合計画により、上記公示中に言及した両国間の交換チャネルにて双方の電子優先権書類を取得するサービスを2021年1月1日より停止する。

 

9.2つの発明専利権侵害紛争指導判例の参照取消! : 1月1日施行

国家法律の統一的かつ正確な適用を保証するため、《中華人民共和国民法典》等関連の法律規定と審判の実情に基づき、最高人民法院審判委員会討論を経て、第9号、第20号の指導性判例について今後は参照を行わないことを決定した。但し当該指導性判例の裁判及び当該指導性判例を参照してなされた判決は依然として有効とする。当該決定は2021年1月1日より施行する。


10.公式専利検索サービス費用値上がり : 1月1日

国家知識産権局専利検索諮詢中心公式発表の「《国家知識産権局専利検索諮詢中心製品と役務改善方案》に関する公示」が示す通り、2021年1月1日付にて検索諮詢中心の《国家知識産権局専利検索諮詢中心検索サービス委託書》に対するサービスの内容と費用の改善調整が行われた。

 

11.《通州区知識産権促進規定》実施、最高で3万元の助成金! : 1月1日

2021年1月1日、《通州区知識産権促進規定》の実施が正式に開始される。助成奨励の適用となるケースが新たに6つ追加されたほか、2つの助成基準についても調整が行われた。新規定では通州区の在学小中学生が専利を出願し授権された場合、発明専利については3万元、実用新案専利については3千元、意匠専利については千元をそれぞれ助成することを明確にしている。

 

12.《浙江省専利代理産業信用管理規定(試行)》 : 1月1日実施

浙江省市場監督管理局は《浙江省専利代理産業信用管理規定(試行)》に関する通知を公布した。この通知は2021年1月1日より施行されるとしている。

 

13.全国人民代表大会常務委員会《中華人民共和国国旗法》の改正に関する決定 : 1月1日実施

2020年10月17日第13回全国人民代表大会常務委員会第22回会議にて《中華人民共和国国旗法》の改正に関する決定が可決され、当該決定は2021年1月1日より施行される。

 

14.全国人民代表大会常務委員会《中華人民共和国国章法》の改正に関する決定 : 1月1日実施

2020年10月17日、第13回全国人民代表大会常務委員会第22回会議を通過し、《中華人民共和国国章法》の改正に関する決定が2021年1月1日より実施される。