部品意匠の一般消費者の判断

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[ 2024-03-27 ]

——(2021)最高法知行終464

裁判要旨

意匠製品の一般消費者は、通常、製品の取引、使用中で製品の外観を観察することができ、または注目することができる人を含む。製品の機能と用途によりそれが組み立て製品の部品としてしか使用できないことが決められ、その組み立て製品のエンドユーザーは製品を組み立てる過程で部品の外観設計が観察できない場合、一般消費者は主にその部品の直接購入者、設置者を含む。

キーワード

意匠、無効宣告、組立製品の部品、一般消費者

事件の経緯

上訴人の国家知識産権局と被上訴人の東莞某科技公司、原審第3人の深セン某精密電子公司の意匠権無効行政紛争事件において、専利権者は東莞某科技公司、専利番号は201630657867.4、名称は「ケーブルコネクタ」の意匠(以下、本専利と略称する)である。

深セン某精密電子公司は、本専利について国家知識産権局に無効宣告請求を提出した。国家知識産権局は、本専利のようなコネクタは主にフレキシブル回路基板の接続に使用され、接続と導電の役割を果たし、その機能は主に製品の形状によって実現されるため、このような製品の一般消費者は製品の形状、特に回路基板との接続部の具体的な設計及び導電端子、導電片溝の分布に注目すると認定した。本専利と比較設計の相違点134は局部的な微細な相違に属し、相違点2中部は当分野でよく見られる設計に属し、底部歯状凹凸は対比設計と一致し、上下部の浅いレリーフ溝は一般消費者の関心が低いものである。上記の相違点は、製品全体の視覚効果に大きなな影響を与えるには不十分であり、本専利は専利法第23条第2項の規定を満たさない。国家知識産権局は、本専利権全部を無効する宣告、即ち被訴決定を下した。

東莞某科技公司は、本専利と比較設計に明らかな違いがあるとして、北京知識産権法院(以下、一審法院と略称する)に訴訟を提起した。

一審法院は、本専利製品の「一般消費者」は、当該意匠製品を使用して製造された完成品のエンドユーザーであってはならないと認定した。本専利と比較設計の相違点123はいずれも局部的な微細な相違ではなく、一般消費者の注意を引くことができる。本専利は対比設計と明らかな違いがあり、専利法第23条第2項の規定を満たし、被訴決定を取り消し、国家知識産権局が改めて決定を下すように判決した。

国家知識産権局は不服として、最高人民法院に上訴した。最高人民法院は202289日、原審を取り消し、東莞某科技公司の訴訟請求を棄却する判決を下した。

裁判意見

最高人民法院第二審は、被訴決定においてまとめた同じ点を確認した上で、各方の意見を総合し、本専利と対比設計の同じ点と相違点を再まとめ、意匠製品の一般消費者は、通常、製品取引、使用過程において製品の外観を見ることができるすべての消費者を含むと認定した。製品の機能と用途によりそれが組み立て製品の部品としてしか使用できないことが決められ、製品を組み立てるエンドユーザーが製品を組み立てる過程で依然としてその部品の外観設計を見ることができる場合、一般消費者はその部品の直接購入者、設置者を含む同時に、製品を組み立てるエンドユーザーを含む。製品を組み立てるエンドユーザーが組立製品を正常に使用している過程においてに部品の外観設計を見ることができない場合、一般消費者は主にその部品の直接購入者、設置者を含むべきである。

本件において、本専利はケーブルコネクタであり、主にフレキシブル回路基板を接続するために用いられ、それは電子製品部品としてPCB基板に取り付けられて使用される。電子製品の製造が完了すると、エンドユーザーは本専利の外観設計を見ることができないため、本専利製品の一般消費者は主にケーブルコネクタを直接購入し、設置する人たちである。

ソース:最高人民法院知識産権法廷

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